「鮎」
伊豆半島を北上し、駿河湾へと流れる狩野川は、天城山系や富士山系から豊富な水を集める希少な川。流域は県内の約11%を占め、清流には鮎やアマゴ、ズガニなど多様な生き物が息づいている。中でも、狩野川の鮎は「釣り人」が主役。1,100人以上が所属する狩野川漁協の大半が漁業者ではなく、鮎釣りを楽しむ愛好者たちだ。狩野川の鮎の多くは、こうした釣り人によって釣り上げられている。
その中心にあるのが「友釣り」という独特の釣法だ。縄張り意識の強い鮎の習性を利用し、生きた鮎を「オトリ」として泳がせ、攻撃してきた鮎を釣り上げるこの方法は高度な技術と集中力を要する。狩野川は「友釣り発祥の地」ともされ、全国の釣り人から「鮎釣り道場」と呼ばれるほどの聖地だ。
狩野川の鮎は、上流域の美しい水と、川底に繁茂する珪藻・藍藻(コケ)を主食とすることで、内臓に苦みがなく香り豊かで上品な味わいが特長。この天然鮎を多くの人に届けようと、漁協では6年前から鮎の買い取りも始め、年間約4,000匹が集まる。釣り人と業者をつなぐ仕組みが生まれている。
しかし、鮎の数は年々減少。水温の上昇、山からの栄養不足、土砂堆積による環境変化、さらには天敵・カワウによる食害と、自然環境の変化が深刻な影響を及ぼしている。漁協では産卵場造成や地元稚鮎の放流など、資源保護の取り組みを続けているが、状況は楽観できない。
「狩野川そのものにもっと目を向けてほしい」と語るのは、漁協の井川組合長。鮎の放流体験や子どもたち向けの友釣り体験を行い、地域ぐるみで狩野川の価値を再認識しようとしている。狩野川が育む鮎と、それを支える釣り人、そして自然との共生を目指す文化。それがいま、「狩野川スタイル」として静かに芽吹いている。







狩野川の鮎を食べたい
伊豆大仁温泉 一二三荘
狩野川にかかる大仁橋のたもとにあるのが伊豆大仁温泉一二三荘さん。良質な源泉かけ流し温泉と狩野川が近いことから古くから鮎釣りのお客様に愛されている宿です。
一二三荘さんの名物と言えば、自ら鮎を釣り、鮎を調理し、鮎を知り尽くした料理人4代目の井川博也さんがつくる天然鮎を使用した鮎のコース料理です。天然鮎がとれる季節だけ提供している特別な鮎のフルコース。
鮎の塩焼き、鮎の背越し(骨を残したお刺身)、鮎の甘露煮、鮎の茶碗蒸し、鮎の塩焼き、鮎のひらき、鮎ごはんなど。まさしく「鮎づくし」の鮎料理を楽しむことができます。
温泉で疲れを癒して、絶品の鮎料理で舌鼓を打つ。ぜひ、ゆったりとお寛ぎください。
住所:〒410-2323 静岡県伊豆の国市大仁503
電話:0558-76-3123
URL:https://www.123-sou.com/
日帰り温泉営業時間:9:00~22:00





鮎茶屋
伊豆箱根鉄道大仁駅から徒歩3分のところにある鮎茶屋さん。老舗旅館の1階に店舗があり、昭和47年のオープン当初より鮎料理を提供しています。
店主の内田敏克さんは、「川魚料理はクセがあるものが多いが、鮎は清流の女王と呼ばれ、味も淡白で臭みがない美味しい魚。是非食べていただきたい」と太鼓判を押します。
鮎茶屋さんでの人気メニューは、鮎の塩焼きと鮎の釜飯。この二つがセットになった「鮎釜飯と塩焼定食」もあり、鮎の美味しさと香りを堪能できる一品となっています。
鮎のお刺身である「鮎の洗い」は夏期限定のメニュー。この時期にしか食べられない旬の味を是非楽しんでください。
住所:〒410-2323 静岡県伊豆の国市大仁440
電話:0558-76-5222
営業時間:11:30~13:30/17:30~19:30
定休日:月曜日



狩野川の鮎を買いたい
狩野川漁業協同組合
狩野川で釣りをしたい、狩野川の天然鮎を購入したい方は、狩野川漁業協同組合へ相談してみてください。釣れたての真空冷凍された鮎を購入することができますよ!!
住所:〒410-2323 静岡県伊豆の国市大仁901
電話:0558-72-5945
URL:https://kanogawa-gyokyo.jimdofree.com/
